「プロジェクターって、あとから付ければいいよね」
私も打ち合わせの途中まで、そう思っていました。
当てはまるものはありませんか。
- いつかホームシアターをやりたいが、まだ機種も決まっていない
- 今すぐ買うわけではないので、後回しにしている
- そもそも何を決めておけばいいのか分からない
結論から言います。プロジェクターの配線は、壁が閉じる前にしか仕込めません。
私は新築で電気配線から関わった施主で、電気工事士の資格を持っています。いまホームシアターの配線が進行中です。
この記事では、建築中に決めておくことを3つに絞ってお伝えします。あわせて、私が実際にやってしまった買い物の失敗も正直に書きます。
結論:プロジェクターの配線は壁が閉じる前にしか仕込めない
建築中と完成後で、できることがはっきり変わります。

だから機種が決まっていなくても、配線だけは先に考えておく必要があります。
あとから付けると、配線が見えるか壁を壊すことになる
完成後にプロジェクターを付けると、こうなります。
まず天井に電源がありません。延長コードを引くか、壁を壊して配線するかの二択です。
次に映像ケーブルが露出します。プロジェクターは部屋の真ん中あたりの天井に付けるので、そこから機器までケーブルが走ります。モールで隠しても、天井を横切る線は目立ちます。
せっかく建てた家です。天井にケーブルが這っているのは、かなり気になります。
プロジェクターの配線で決めるのは電源・映像・LANの3つだけ
難しく考える必要はありません。決めるのはこの3つです。
天井の電源をどこから取るか
プロジェクターの位置にコンセントを1つ出しておきます。わが家はこれを用意しました。
位置はスクリーンとの距離で決まります。機種が決まっていないなら、だいたいの位置に出しておけば大丈夫です。多少ずれても、短い延長で吸収できます。
映像ケーブルを通す管を入れる
ここが一番大事です。
ケーブルそのものではなく、ケーブルを通すための管を先に入れます。管さえ入っていれば、あとから好きなケーブルを通せます。
機種が決まっていなくても困りません。管は「将来の選択肢」を残す仕込みだからです。
LANを引くかどうか決める
最近のプロジェクターはネットにつながります。無線でも使えますが、有線のほうが安定します。
管を入れるなら、LANも一緒に通せます。使わなくても損はありません。
管はPF管を選ぶ。太さは通すもので変える

ここからは私の失敗です。安いという理由だけで選んで、2つとも間違えました。

先に結論を書きます。これだけ覚えれば大丈夫です。
| 通すもの | 買う管 |
|---|---|
| HDMI | PF管の28 |
| LAN | PF管の22以上 |
| スピーカーケーブル | PF管の16 |
材質はPF管。オレンジ色のCD管は避ける
管には2種類あります。見分け方はかんたんで、オレンジ色ならCD管です。
| CD管(オレンジ色) | PF管 | |
|---|---|---|
| 火が当たったとき | 燃え続ける | 自然に消える |
| 値段 | 安い | 少し高い |
私は安いほうのCD管を買いました。天井裏は木材だらけです。燃え広がる材料をわざわざ通す理由はありませんでした。
差は数百円から千円台です。家は何十年も使います。ここをけちる意味はありませんでした。
太さは16を買って、HDMIが通らないと気づいた
もっと痛かったのが太さです。私が買ったのはいちばん細い16でした。
HDMIケーブルは、端子の部分がとても太いのです。ケーブル本体は細くても、端子が引っかかって通りません。
もし気づかずに壁を閉じていたら、管は入っているのにケーブルが通せないという状態になっていました。
だからHDMI用にはPF管の28を買い直します。
私はここで失敗しました。HDMIを通すならPF管の28を買ってください。PF管28の値段を見てみる(数百円からあります)
買ってしまった16は、スピーカー配線に回す
買ってしまった16は無駄になりません。スピーカー線なら16で十分です。PF管16の値段を見てみる
ただし16が無駄になるわけではありません。
スピーカーケーブルは事情が違います。端子が付いていない、裸の線だからです。線の太さは1.6mmほど。16mmの管なら余裕で通ります。
つまり、こう分ければいいわけです。
- HDMI用に28を1本
- スピーカー用に16を必要な数だけ
1本の管に全部まとめようとするから、太い管が必要になります。用途で分ければ、細い管も活きます。
サブウーファーを迷ったので、配線だけ先に通しました
いま私が迷っているのが、サブウーファーです。
低音を担当するスピーカーで、あると迫力が変わります。でも置き場所を取りますし、値段もします。本当に必要かどうか、正直まだ決められていません。
そこでこうしました。
設置するかは決めないまま、配線だけ先に通しておく。
これは建築中にしかできない判断です。あとで「やっぱり付けたい」と思っても、そのときには壁が閉じています。
逆に、付けないと決めても損はしません。使わない線が1本あるだけです。
迷っているものがあるなら、決めるのを後回しにして、配線だけ通しておくのがおすすめです。
工務店へのプロジェクター配線の伝え方
専門用語を並べる必要はありません。次のように伝えれば十分です。
リビングの天井にプロジェクターを付ける予定です。
天井のこのあたりにコンセントを1つお願いします。
そこから機器を置く場所まで、PF管の28を1本通しておいてください。
スピーカーの線を通す管は16で大丈夫です。
ケーブルは自分であとから通します。
ポイントは「PF管の28」と数字まで言うことです。ここを伝えないと、細い管を入れられてしまいます。
機器の置き場所も先に決めておくと話が早いです。テレビ台の中や、収納の中が定番です。
新築の設計中に先に決めておくこと
順番に決めていけば迷いません。
- スクリーンを付ける壁を決める(わが家は電動スクリーンにしました)
- その正面あたりの天井にコンセントを1つ出す
- そこから機器置き場までPF管28を通す
- 迷っている配線があれば一緒に通しておく
この4つだけで、あとから困ることはほぼなくなります。
なお、コンセントの位置や数も同じで、建築中にしか決められません。後悔しやすいポイントは新築のコンセント記事にまとめています。
新築のプロジェクター配線でよくある質問
機種が決まっていなくても配線はできる
できます。むしろ機種が決まる前に管を入れておくのが正解です。管が入っていれば、あとからどんなケーブルでも通せます。
無線で飛ばせばケーブルは要らないのでは
無線で映像を飛ばす機器もあります。ただ電源だけはどうしても必要です。天井のコンセントは用意しておいてください。
管を通す費用はどれくらいか
管そのものは1本あたり数百円から千円台です。工事費は建築中なら、ほかの配線と一緒に済みます。完成後に頼むと桁が変わります。
なぜ「28にしておけ」と言われるのか
電気工事には占積率という決まりがあるからです。
電線管に収めることができる電線の占有率は32%と決まっており、内線規程で定められています
かんたんに言うと、管の中身は3分の1までにしておくという考え方です。すき間がないと摩擦で引けなくなり、機械で引っ張っても動かなくなります。
天井裏は曲がりが多い場所なので、余裕を持たせておくほうが安全です。
1本しか通さないなら細い管でもいいのでは
HDMIの場合は、それでも足りません。すき間の話と、端子の太さは別の問題だからです。
ケーブル本体は16mmの管に入りますが、端子は幅が2cm前後あります。ここが引っかかります。
なお端子を外せる分離型のHDMIケーブルなら16でも通せるそうです。ただし私は使ったことがないので、実際の手間は分かりません。
照明との関係も考えたほうがいい
考えたほうがいいです。プロジェクターを使うときは部屋を暗くします。照明を調光できるようにしておくと、映画のときに便利です。わが家が調光にこだわった理由も、まさにこれでした。詳しくは照明の記事に書いています。
新築のプロジェクター配線のまとめ
プロジェクターの配線は、壁が閉じる前にしか仕込めません。機種が決まっていなくても、先に手を打っておく価値があります。
- 決めるのは電源・映像・LANの3つだけ
- 管はPF管を選ぶ。オレンジ色のCD管は燃え広がる
- 太さは通すもので変える。HDMIは28、スピーカーケーブルは16でよい
- 迷っている配線は決めないまま通しておく
- 工務店には「PF管の28」と数字で伝える
最後に、私の失敗をもう一度書いておきます。
安いという理由だけでCD管の16を買いました。材質も、HDMIを通すには太さも足りませんでした。気づいたのは壁が閉じる前です。
ただし調べていくうちに、16はスピーカー配線に使えると分かりました。買ったものが丸ごと無駄になったわけではありません。
同じところで迷っている方の役に立てばうれしいです。


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