新築の光回線の引き込みは空配管で決まる|施主が工務店に頼んだ中身

新築の光回線の引き込みは空配管で決まる。施主が工務店に頼んだ中身 家づくり・配線
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「光回線なんて、住み始めてから申し込めばいいよね」 当てはまるものはありませんか。
  • どの回線にするかは、まだ決めていない
  • 工事は業者がやるものだから、施主は関係ないと思っている
  • そもそも建築中に何を頼めばいいのか分からない
結論から言います。光回線の引き込みは、空配管を先に通しておけば失敗しません。回線を決めていなくても関係ありません。 私は新築で電気配線から関わった施主で、電気工事士の資格を持っています。光回線用の空配管は、工務店に頼んで通してもらいました。 本記事では、建築中に決めることを3つに絞ってお伝えします。あわせて、業者のサイトにはまず出てこない「離隔(りかく)」という決まりも説明します。離隔を知らないと、引き込み口を好きな場所に決めてしまいます。 ※ 本記事にはプロモーションが含まれます。

結論:新築の光回線の引き込みは空配管を先に通せば失敗しない

空配管とは、壁の中にあらかじめ通しておく、空っぽの管のことです。中には何も入れません。ケーブルの通り道だけを先に作っておきます。
新築の光回線の引き込みは空配管があるかないかで工事当日が変わる
管さえあれば、工事当日は中を通すだけで終わります
管があるかないかで、工事当日にできることが変わります。 そして空配管を入れられるのは、壁が閉じる前だけです。回線業者を決めるより先に、空配管を済ませておく必要があります。

空配管がないと、機器を置く場所を選べなくなる

管がない家に光回線を引くと、どうなるか。 NTT東日本は、引き込みの方法をこう説明しています。
光ケーブルを建物に引き込むときは、基本的に壁の配管を通す方法か、エアコンのダクトを通す方法が一般的です。しかし戸建ての構造や電柱の位置によっては、壁に1cm程度の穴を開ける方法もあります。
つまり管が無くても引けます。ただし通せる経路しだいです。 エアコンのダクトを使うなら、機器はエアコンのある部屋に置くことになります。経路が無ければ、壁に穴を開けます。 eo光の記事にも、建てた後の後悔として「有線LANでも接続できる部屋にしておけばよかった」という声が紹介されていました。 せっかく建てた家です。新品の外壁を追加で開けるのは、気持ちのいいものではありません。

新築の光回線の引き込みで施主が決めるのは3つだけ

難しく考える必要はありません。決めるのは次の3つです。
新築の光回線の引き込みで施主が決める3つ(引き込み口・ルーターの置き場・有線を引く部屋)
回線会社を決めていなくても、3つは先に決められます

引き込み口をどこにするか

電柱から飛んできた線が、外壁のどこから家に入るかです。引き込み口の位置が、次の章で説明する「離隔」に関わります。

ルーターをどこに置くか

引き込み口とルーターの置き場が離れていると、両方をつなぐ管が必要になります。先に置き場を決めておくと、管の本数が減ります。 私は1階リビングの収納棚にしました。家の中心に近く、高い位置にあるからです。Wi-Fiは高いところから出したほうが家全体に届きます。

有線を引く部屋をどこにするか

全部屋に引く必要はありません。有線が効くのは、通信が途切れると困る場所だけです。 有線にする価値があるのは、テレビの裏と書斎です。私は書斎だけ有線にすると決めました(今は空配管だけで、ケーブルはまだ通していません)。残りはWi-Fiで足ります。

電気の引き込みの近くにするなら、離隔という決まりがある

次が本記事で一番伝えたいところです。 知恵袋に、こんな質問がありました。工務店には「空配管の場所はどこでも変更できます」と言われた。でも光ファイバーの引き込みは、本当にどこでもいいのか。そんな内容です。 答えは「どこでもよくありません」。
光回線の引き込みは電気の引き込みと10cm以上の離隔が必要
電気の線と通信の線は、一定の距離を空ける決まりがあります
電気設備技術基準の解釈と内線規程では、電気の配線と通信の線は10cm以上離すと決められています。むき出しの電線の場合は30cm以上です。 私は電気の引き込みの近くに光回線の引き込み口を作りました。外壁を貫通させる場所をまとめたほうが、穴が散らばらずに済むからです。ただし離隔だけは取れるように気をつけました。 なお家庭の配線は100Vか200Vなので、300V以下という条件に当てはまります。家庭の配線の場合は間に絶縁性の隔壁を入れれば、10cmより近くても成立します。絶対に10cm離さないと違反、というわけではありません。

空配管はPF管を選ぶ。オレンジ色のCD管は避ける

管には種類があります。安いほうを選ぶと後悔します。
空配管はPF管を選ぶ。CD管はオレンジ色で自己消火性がない
オレンジ色の管はCD管です。工業会がオレンジ色で識別しています
私は別の配線で先に同じ失敗をやりました。値段だけを見てオレンジ色のCD管を買い、あとから調べ直してPF管に買い替えています。くわしくは新築のプロジェクター配線の記事に書きました。 違いは2つです。
  • CD管には自己消火性がありません。炎を取り去っても自然に消えません
  • PF管には自己消火性があります。だから露出する場所でも使えます
光回線の引き込みは外壁を貫通するので、屋外にさらされる部分が出ます。 合成樹脂製可とう電線管工業会のQ&Aには、こう書かれています。
CD管はPF管とは違い自己消火性がないことから、コンクリート埋設以外の露出場所においてはPFを使用することが望ましいといえます。(工業会見解)
だから引き込み部分は迷わずPF管です。 見分け方は簡単です。工業会がCD管をオレンジ色で識別しています。だからオレンジ以外の管は、CD管ではありません。 わが家で使ったのは黒いPF管です。PF管には色の種類があります。屋外にさらす部分があったので、工務店と相談して黒を選びました。 黒いPF管の一例です。 ちなみに複数の業者サイトでは、空配管を「空配管(CD管)」と書いていました。屋内だけならCD管でも通りますが、引き込み部分にCD管を使うのは私はおすすめしません。 光コンセントをどこに出すかも、同じタイミングで決めます。光コンセントの位置が、Wi-Fiの発信地になるからです。 → 光コンセントが新築に無いのは普通|壁が閉じる前にやること

情報分電盤は買わなかった。機器を集める場所だけ作った

建築中に「情報分電盤はどうしますか」と聞かれることがあります。
情報分電盤は必須ではない。必要なのは線が集まる場所
専用の箱を買わなくても、線が集まる場所さえあれば成立します

情報分電盤とは何か

壁に埋め込む、ネット配線をまとめる箱です。ブレーカーの箱のネット版だと思ってください。中にはONU・ルーター・ハブ・コンセントが入ります。 ONUは光を電気の信号に変える機械、ハブはLANを枝分かれさせる機械です。どちらも回線を使うなら必ず要ります。

箱にWi-Fiルーターを入れると電波が弱くなる

箱に入れるのが落とし穴です。知恵袋には、情報分電盤に入れたら1階にほとんど電波が届かなくなったという投稿がありました。 箱の素材や扉が電波をさえぎります。便利にするために買った箱で、Wi-Fiが弱くなるという結果になります。

箱を買わずに、機器が集まる場所を作った

私は情報分電盤を買いませんでした。代わりに収納棚を機器の集約場所にして、防犯カメラとアンプもまとめて集めました。 必要なのは箱ではなく「線が集まる場所」です。集まる場所にコンセントとLANの管さえ届いていれば、専用の箱は要りません。

機器を1か所に集めたら、次に出たのは熱の問題

次は、いま私が迷っている最中の話です。
機器を集約したら排熱の通り道が必要になる
空気は下から入って上へ抜けます。入口がないと動きません

機器が耐えられるのは40℃まで

ハブの仕様を調べました。たとえばパナソニックのPoEハブ(Switch-S8PoE)は、動作温度が0〜40℃でした。 問題は、40℃が部屋の温度ではなく、機器のまわりの温度を指すところです。閉じた棚の中は、部屋よりも高くなります。夏の室温を思えば、上限までの余裕は多くありません。

PoEハブは普通のハブより熱くなる

防犯カメラをLANケーブルで動かす場合、PoEハブという機械がカメラに電気を送ります。その電気の分が熱になります。 パナソニックの8ポートの製品を見ると、最大60.3W・発熱量51.8kcal/hと公式の仕様表に書かれていました。閉じた棚の中で、機器がずっと発熱します。

自然に抜くか、換気扇を付けるかで迷っている

いま迷っているのは、抜き方です。
  • 自然換気は壊れません。ただし暑い日に足りるかは、夏を越さないと分かりません
  • 換気扇は確実です。ただし壊れても音が消えるだけなので、気づかないまま夏を迎える心配があります
いまのところ上下に開口を作って自然に抜く形にして、換気扇用の電源だけ先に用意しておくつもりです。これならどちらにも転べます。 ひとつだけ確かなことがあります。上だけ開けても空気は動きません。入ってくる場所がないからです。扉の下やガラリなど、下側の入口が要ります。

工務店に新築の光回線の空配管をどう伝えるか

コピペで使える言い方にしておきます。
  • 光回線用にPF管で空配管を入れてください
  • 引き込み口は電気の引き込みの近くで、離隔を取れる位置でお願いします
  • 引き込み口から機器を集める場所まで管をつないでください(光だけなのでΦ22で足ります)
  • 機器を集める場所から有線を使いたい部屋までも管を通してください(LANが通るので太さが要ります)
回線をどこにするか決まっていなくても、上の4つは頼めます。管は空のままで問題ありません。

新築の光回線の引き込みでよくある質問

空配管がない場合はどうすればいいですか

完成後でも工事はできますが、外壁に穴を開けて配線を這わせる形になりやすいです。壁を壊して通す方法もありますが、費用も手間も増えます。

空配管なしでLAN配線はできますか

できます。ただし後から交換できません。管がないとケーブルを引き替えられないためです。規格が新しくなったときに困ります。

管の太さはどれくらい必要ですか

引き込み用と宅内用は別の管なので、太さも別に考えます。2つを混ぜると必要以上に太い管を買うことになります。 引き込み用は細くて構いません。通すのは光ファイバーだけだからです。光の引き込み線は外径が数ミリしかありません。パナソニックの公式FAQでも、光ファイバーの引き込み用の配管サイズは「Φ22で大丈夫です」と回答されています。 太さが要るのは宅内のLAN用の管です。LANは端子が引っかかるので、細い管では通りません。管の太さの考え方はプロジェクター配線の記事にまとめました。

回線を決めてからでないと工事を頼めませんか

空配管は回線と関係ありません。どの会社を選んでも同じ管を使います。だから先に入れて問題ありません。

新築の光回線の引き込みのまとめ

大事なところをもう一度まとめます。
  • 空配管を先に通せば、工事当日は中を通すだけで終わります
  • 管がないと外壁に穴を開けて配線が外を這います
  • 決めるのは引き込み口・ルーターの置き場・有線を引く部屋の3つだけです
  • 電気の引き込みの近くにするなら10cm以上の離隔が要ります
  • 管はPF管を選びます。オレンジ色のCD管は避けます
  • 情報分電盤は必須ではありません。線が集まる場所さえあれば足ります
  • 集約したら排熱の通り道を忘れずに作ります
最後に正直に書いておきます。私はまだ光回線を契約していません。建築中だからです。だから本記事は、配管と設計の話に絞りました。 どの回線を選ぶかは、住む地域によって答えが変わります。地域別に使える回線と、住所を入れるだけのエリア判定のやり方は新築の光回線はいつ申し込むかの記事にまとめました。

新築の電気配線で壁が閉じる前に決めることは、次の記事に1ページでまとめました。

→ 新築の電気配線で決めること|全部自分で配線した電気工事士が解説

有線LANをどの部屋に付けるかは、「新築の有線LANは途切れると困る部屋だけ」に書きました。

用途別の太さの早見表は「空配管のサイズは用途で決まる」にまとめました。

空配管を通しても、住み始めてから申し込むと開通まで待つことになります。回線をまだ決めていないなら、窓口は2つに絞れます。どちらも開通までの機器を貸してくれるので、引っ越した日からネットが使えます。

→ 新築の光回線が間に合わないとき|開通まで困らない窓口2つ

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