「防災のためにポータブル電源を買うべきか、ずっと迷っている」
「10万円近くするのに、使う日が来ないかもしれない」「モバイルバッテリーで足りるのではないか」。当てはまるものはありませんか。
ネットで調べると、メーカーの記事はどれも「必要です」と書いています。一方で、知恵袋で被災した人に聞くと「無くても困りません」という答えが目立ちます。どちらを信じればいいのか、分からなくなります。
結論から言います。ポータブル電源が防災に必要かは、家ごとに3つの分かれ目で決まります。全員に必要でも、全員に不要でもありません。
私は電気工事士です。自宅の電気配線は全部自分でやりました。ポータブル電源はJackeryの1500を持っていて、キャンプで使っています。ただし、停電で使ったことはまだありません。
本記事では、被災した人の「無くても困りません」という声を先に載せます。そのうえで、売る側ではなく持っている側として、3つの分かれ目を書きます。
読み終えると、自分の家が「必要」か「いらない」かを決められます。いらない家は10万円近くを無駄にせず、必要な家は買い逃しません。
結論:ポータブル電源が防災に必要かは、3つの分かれ目で決まる
ポータブル電源が防災に必要かどうかは、家によって答えが変わります。分かれ目は3つです。

| 分かれ目 | 当てはまる家 | 当てはまらない家 |
|---|---|---|
| 1. 電気が止まると困るものがあるか | 医療機器・在宅の仕事・ペットの空調 | 困るのはスマホの充電くらい |
| 2. 停電が長引く地域か | 台風や大雪で数日止まる地域 | 停電がほとんど無い地域 |
| 3. 停電以外に使う場面があるか | キャンプ・車・庭 | 家の中だけ |
1か2に当てはまるなら、必要な家です。3だけなら、元が取れる使い道があるかで決めます。わが家は3だけに当てはまる家です。
分かれ目1:電気が止まると、命や仕事に関わるものがあるか
在宅の医療機器、自宅での仕事、ペットの空調。電気が数日止まると取り返しがつかないものがある家は、迷わず必要です。
OKWAVEの回答にも、近い意見がありました。人工呼吸器やペットの空調管理が要る家でなければ、過剰な備えという内容です(OKWAVE・2024年の投稿より)。裏を返せば、事情がある家には水と同じ備えです。
分かれ目2:停電が長引く地域か
停電が数日続く地域かどうかで、必要な備えが変わります。台風や大雪で毎年のように止まる地域と、ほとんど止まらない地域では答えが違います。
わが家は停電のリスクが低い地域です。だから据置型の家庭用蓄電池は見送りました。据置型は工事費込みで平均9.2万円/kWhです(経済産業省の検討会資料)。5〜10kWhなら46万〜92万円になります。計算は「ポータブル電源は家庭用蓄電池の代わりになる?」に書きました。
分かれ目3:停電以外に使う場面があるか
停電のためだけに買うと、使わない年は置いてあるだけになります。キャンプ・車・庭で使う場面があれば、停電が来なくても元が取れます。
わが家は防災と外での利用を兼ねて買いました。実際に使っているのはキャンプです。照明・スマホの充電・電気毛布に使っています。停電では、まだ使っていません。
被災した人の声は「無くても困りません」が多い
先に、被災した人の声を載せます。メーカーの記事には出てこない答えです。
停電4日を経験した人は「優先度はかなり低い」と答えた
知恵袋に「災害にあった人に質問です。ポータブル電源は必要でしたか」という質問がありました。ベストアンサーは、東日本大震災で4日間停電した宮城県の人です(Yahoo!知恵袋・2024年の投稿より)。
答えは「優先度はかなり低い」でした。理由は3つです。
- 基地局が止まれば、スマホを充電しても使えない
- 1000Whほどの容量では、1日で使い切る
- 十数万円かける割に、使える場面が限られる
代わりに勧めていたのは、水・食料・現金・カセットコンロのガスです。ガスは「1週間で5本」必要だったそうです。電気は3〜4日で復旧した一方、都市ガスは3ヶ月かかったとも書かれていました。
停電1週間を経験した人は「ポータブル発電機は必要ない」と答えた
OKWAVEにも「ポータブル電源って災害用に買っておくべきですか?」という質問がありました。質問者はキャンプを一切やらず、災害用だけで要るかを迷っていました(OKWAVE・2024年の投稿より)。
ベストアンサーは、東日本大震災で1週間停電した人です。答えはポータブル電源ではなく発電機の話で、要らないというものでした。暖は車の中でとり、備えるなら車用の充電器や100V電源くらい、という内容です。ほかの回答には「モバイルバッテリーで十分」と、立地と機材しだいという意見がありました。
ほかの人の実測と私の使い方で突き合わせると、一致する点と違う点がある
一致するのは、1000Whは1日で尽きるという数字です。ほかの人の実測7件でも、1,000Whクラスで冷蔵庫は10〜15時間でした。
違うのは、使い道の前提です。「停電のためだけ」なら、たしかに十数万円は割高です。私の場合はキャンプでも使うので、前提が違いました。
もう1つ、個人のnoteに別の答えがありました。北海道の地震で停電を経験し、スマホの充電を待つ長い行列を見た人です。8年後に買い、当時欲しかったのは電気より安心感だったと振り返っています(note・2026年1月の投稿より)。安心感にお金を払う、という考え方もあります。
それでも必要な家がある。売り手ではなく、持っている側から言う
検索の上位に出る記事は、ほとんどメーカーが書いています。売る側が「必要です」と書くのは当然です。私は売る側ではありません。持っている側として書きます。
分かれ目1に当てはまる家は、迷わなくていい
医療機器・在宅の仕事・ペットの空調がある家は、被災経験者の「無くても困りません」に引きずられないでください。回答者の家に無かったものが、あなたの家にはあります。
数日の停電で取り返しがつかないなら、ポータブル電源は水や食料と同じ備えです。
わが家は据置型を見送り、ポータブル電源だけにした
わが家は停電のリスクが低い地域なので、据置型の蓄電池は入れていません。持っているのはJackeryの1500だけです。容量は1534Wh、定格出力は1800W、重さは16kg前後です。
壊れやすい・危険といった評判の中身は、公式資料と口コミで確かめました。「Jackeryの評判|壊れやすい・危険は本当か」にまとめています。
キャンプで照明・スマホの充電・電気毛布に使っています。停電が来なくても、使う場面があります。
必要と決めたら、容量より先に「定格出力」を見る
必要と決めた人が次に迷うのは、どの大きさを買うかです。先に見るのは容量(Wh)ではなく、定格出力(W)です。出力が足りない家電は、容量が余っていても動きません。

何が動いて何が動かないかの計算は「ポータブル電源は家庭用蓄電池の代わりになる?」に書きました。
ほかの人が冷蔵庫を実際に動かした実測7件では、1,000Whクラスで10〜15時間でした。「ポータブル電源で冷蔵庫は停電中に何時間もつ?」にまとめています。
買うならJackeryかEcoFlowか
機種で迷うなら、JackeryとEcoFlowの2社に絞れば十分です。両社の公式スペックを同じ条件で並べて、今選ぶならどちらがよいかをまとめました。
→ JackeryとEcoFlowどっち?公式スペックで出した結論
ポータブル電源は防災に必要かのよくある質問
モバイルバッテリーで足りるのは、スマホの充電だけが目的の家
停電中にやりたいことがスマホの充電だけなら、モバイルバッテリーで足ります。被災経験者の回答も同じでした。照明・冷蔵庫・電気毛布まで動かしたいなら、ポータブル電源が要ります。
1000Whは、冷蔵庫を動かすと1日もたない
知恵袋の「1日で空になります」は、ほかの人の実測とも合います。1,000Whクラスで冷蔵庫は10〜15時間が目安です。スマホの充電と照明だけなら、もっと長く使えます。
使わなかったらもったいない、はキャンプや庭で使えば消える
わが家は停電では使っていませんが、キャンプで使っています。停電以外の使い道があれば、買った意味は停電が来る前からあります。
ソーラーパネルは、本記事では扱わない
ソーラーパネルは持っていないので、体験として書けることがありません。本記事では扱いません。
まとめ:ポータブル電源は防災に必要かを、3つの分かれ目で決める
ポータブル電源が防災に必要かは、家ごとに3つの分かれ目で決まります。
- 電気が止まると、命や仕事に関わるものがあるか(あるなら必要)
- 停電が長引く地域か(長引くなら必要)
- 停電以外に使う場面があるか(あるなら元が取れる)

被災した人の「無くても困りません」は、1と2に当てはまらない家の答えです。当てはまる家は、水や食料と同じ備えとして持っておきます。
停電対策の全体像(3つの電源と3つの分かれ目)は、「停電対策は電気から決める」に1ページでまとめました。
キャンプで電気毛布につなぐと何時間もつかは、「電気毛布のキャンプ用ポータブル電源は500Whで足りる」に書きました。
必要と決めたら、残る迷いはJackeryとEcoFlowのどちらを買うかです。2社を公式スペックの同じ条件で並べたので、迷わず1台に絞れます。


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