停電対策は電気から決める|必要な家・いらない家・電源の選び方まとめ

停電対策は電気から決める。必要な家・いらない家と電源の選び方をJackeryを持つ電気工事士がまとめた 停電・防災
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「停電対策を調べたら、懐中電灯・ラジオ・水のリストばかり出てきた」

「電気が止まったとき、冷蔵庫やスマホをどうすればいいのか分からない」。「蓄電池の見積もりを見て、桁が違うと思った」。「ポータブル電源は本当に要るのか、誰も答えてくれない」。当てはまるものはありませんか。

結論から言います。停電対策は、電気をどう確保するかから決めます。電気を確保する方法は3つ。必要かどうかは、家ごとの3つの分かれ目で決まります。

私は電気工事士です。新築の自宅の電気配線は、全部自分でやりました。停電の備えとして、据置型の蓄電池は見送り、Jackeryのポータブル電源を持っています。キャンプで使っていますが、停電で使ったことはまだありません。

本記事は、停電・防災の記事7本の入口です。電気の確保に絞って、全体像を1ページにまとめました。詳しい計算や機種の比較は、各記事に書いてあります。

読み終えると、自分の家に必要な電源の種類が決まります。いらない家は無駄な出費をせず、必要な家は買い逃しません。

  1. 結論:停電対策は「電気をどう確保するか」から決める
    1. わが家の答え:据置型は見送り、ポータブル電源だけにした
  2. 停電で止まって困るものは5つ。順番も決まっている
    1. 冷蔵庫はドアを開けなければ2〜3時間もつ
  3. 電気を確保する方法は3つ。電気工事士が違いを言う
    1. ポータブル電源:工事なし。守れるのはつないだ家電だけ
    2. 据置型の蓄電池:家全体を守れるが、工事費込みで平均9.2万円/kWh
    3. 発電機:屋内では絶対に使わない
  4. ポータブル電源が必要な家・いらない家は、3つの分かれ目で決まる
    1. 被災した人は「無くても困りません」と答えている
  5. ポータブル電源を選ぶときは、容量より先に「定格出力」を見る
    1. Jackeryの「1500」は出力ではなく容量。私も取り違えた
    2. 停電対策で買うなら、UPS機能とパススルー充電を見る
  6. 機種はJackeryかEcoFlowの2社で十分
  7. 新築・引っ越しなら、置き場所とコンセントも先に決める
  8. 電気工事士が伝えたい、停電したときの3つの注意
    1. 避難するときはブレーカーを切る。通電火災を防ぐため
    2. 自宅だけ停電なら、ブレーカーを順番に入れ直す
    3. 発電機は屋内で使わない。壊れた太陽光パネルにも近づかない
  9. 電気以外の備えは、公的な一覧で足りる
  10. 停電対策の電気でよくある質問
    1. 停電したとき電気の代わりになるのは、ポータブル電源かモバイルバッテリー
    2. 発電機より蓄電池のほうが家庭向き。屋内で使えるから
    3. 冷蔵庫はドアを開けなければ2〜3時間もつ
    4. 停電のとき電気が自動で切り替わるのは、UPSかEPSの機能つきだけ
  11. まとめ:停電対策は電気から。3つの電源と3つの分かれ目

結論:停電対策は「電気をどう確保するか」から決める

停電対策で最初に決めるのは、電気をどう確保するかです。水や食料は買えば済みます。電気だけは、方法によって費用も守れる範囲も桁が変わります。

方法 工事 守れる範囲 屋内で使えるか 費用
ポータブル電源 不要。買ってすぐ使える つないだ家電だけ 使える 数万円〜(1,000Whクラスで約11万〜12万円。Jackery公式ストア・2026年9月)
据置型の蓄電池 必要 家全体 使える 工事費込みで平均9.2万円/kWh(経済産業省)
発電機 不要 つないだ家電だけ 使えない(一酸化炭素中毒の危険) 本体のほかに燃料の保管が要る

わが家の答え:据置型は見送り、ポータブル電源だけにした

わが家は停電のリスクが低い地域です。だから据置型の蓄電池は見送りました。持っているのはJackeryの1500だけです。据置型との費用の比べ方は「ポータブル電源は家庭用蓄電池の代わりになる?」に書きました。

停電で止まって困るものは5つ。順番も決まっている

停電対策で電気を確保する優先順位。命に関わる機器・通信・冷蔵庫・照明・空調の順
電気の備えは、上から順に確保します

停電で困るのは、電気そのものではありません。電気で動いていたものが止まることです。内閣府は、家庭の備えの例を4つ挙げています。調理手段・冷暖房・家庭用医療機器の予備バッテリー・断水です(出典:内閣府の停電対策ページ)。電気工事士として並べ直すと、優先順位は次のとおりです。

  1. 命に関わるもの(在宅の医療機器)
  2. 通信(スマホの充電・ルーター)
  3. 冷蔵庫
  4. 照明
  5. 夏冬の空調

内閣府の世論調査(平成29年)では、停電時の照明を準備している世帯は約43%でした(同ページより)。半分以上の家には、明かりの備えすらありません。

冷蔵庫はドアを開けなければ2〜3時間もつ

関西電力の解説によると、十分に冷えた冷蔵庫はドアを開けなければ2〜3時間冷たさが保たれます(かんでんWITH YOU)。保冷剤や冷凍食品を一番上の棚に移すと、冷気が下に降りて長くもちます。長引く停電で冷蔵庫を動かすなら、ポータブル電源の出番です。

冷蔵庫を何時間動かせるかは、実測7件を集めて「ポータブル電源で冷蔵庫は停電中に何時間もつ?」にまとめました。

電気を確保する方法は3つ。電気工事士が違いを言う

停電対策の電源は3つ。ポータブル電源・据置型の蓄電池・発電機の工事と守れる範囲と屋内使用の違い
家の中で使えるのは、ポータブル電源と据置型の蓄電池だけです

ポータブル電源:工事なし。守れるのはつないだ家電だけ

買ってきて、コンセントに挿して充電するだけです。工事は要りません。守れるのは、本体につないだ家電だけです。家全体は動きません。持ち出せるので、キャンプや車でも使えます。

据置型の蓄電池:家全体を守れるが、工事費込みで平均9.2万円/kWh

分電盤につなぐので、家全体の電気を守れます。そのかわり工事が要ります。経済産業省の検討会資料では、工事費込みで平均9.2万円/kWhでした(出典:経済産業省の検討会資料)。対象は補助金を受けた家庭用蓄電システムです。5〜10kWhなら46万〜92万円です。

発電機:屋内では絶対に使わない

発電機について、資源エネルギー庁は「屋内ではぜったいに使わないでください」と書いています(出典ページ)。排気に一酸化炭素が多く含まれるからです。屋外でも、排気が家に入る置き方はできません。燃料の保管も要ります。電気工事士としては、家庭の停電対策で発電機を最初の候補にはしません。

ポータブル電源が必要な家・いらない家は、3つの分かれ目で決まる

ポータブル電源が停電対策に必要かを決める3つの分かれ目(困るものがあるか・停電が長引く地域か・停電以外の使い道)
1か2に当てはまるなら必要。3だけなら、使い道で決めます

売る側の記事は全部「必要」と書きます。持っている側から言うと、家によって答えが変わります。分かれ目は3つです。

  1. 電気が止まると、命や仕事に関わるものがあるか
  2. 停電が長引く地域か
  3. 停電以外に使う場面があるか

1か2に当てはまるなら必要な家です。3だけなら、元が取れる使い道があるかで決めます。わが家は3だけに当てはまる家です。

キャンプで電気毛布につなぐと何時間もつかは、「電気毛布のキャンプ用ポータブル電源は500Whで足りる」に書きました。

被災した人は「無くても困りません」と答えている

東日本大震災で4日間停電した宮城県の人は、知恵袋で「優先度はかなり低い」と答えていました(2024年の投稿)。理由は、基地局が止まればスマホを充電しても使えないことと、1000Whほどの容量では1日で空になることです。OKWAVEでは、1週間停電した人がポータブル発電機は要らないと答えています(OKWAVE・2024年の投稿)。被災者の声と私の実感の突き合わせは「ポータブル電源は防災に必要か」にまとめました。

ポータブル電源を選ぶときは、容量より先に「定格出力」を見る

ポータブル電源のW(定格出力)とWh(容量)の違い。Wが足りないと家電は動かない
Wは「動かせるか」、Whは「どれだけ長く使えるか」

容量(Wh)はどれだけ長く使えるか。定格出力(W)はそもそも動かせるかです。出力が足りない家電は、容量が余っていても動きません。

Jackeryの「1500」は出力ではなく容量。私も取り違えた

私が使っているJackeryの「1500」は、出力ではなく容量(1534Wh)を指しています。定格出力は1800Wです。電気を仕事にしている人間でも、製品名の数字を出力だと思い込みます。買う前に両方を確認してください。

停電対策で買うなら、UPS機能とパススルー充電を見る

UPS機能は、停電した瞬間に自動で切り替わる機能です。冷蔵庫やルーターを止めたくないなら、有無で価値が変わります。パススルー充電は、充電しながら給電できる機能です。普段からコンセントにつないでおけます。

UPSのないパススルーだけの機種では、停電すると電気が途切れるおそれがあります(Jackery公式のよくある質問)。わが家の1500はパススルーに対応しています。ただし、停電時に自動で切り替わるUPS機能もEPS機能もありません(Jackery公式ヘルプ・1500)。

つなぎっぱなしでいいかは「ポータブル電源のパススルーとは」にまとめました。

機種はJackeryかEcoFlowの2社で十分

候補は2社に絞れば足ります。国内で情報が多いのはJackeryとEcoFlowです。公式スペックを同じ条件で並べると、容量も出力もほぼ同じでした。2社のどちらにするかは、次の記事で公式スペックを並べて結論を出しました。

→ JackeryとEcoFlowどっち?公式スペックで出した結論

新築・引っ越しなら、置き場所とコンセントも先に決める

ポータブル電源は、どこに置くかで役に立ち方が変わります。UPS機能を活かすなら、冷蔵庫やルーターのそばに置いて、普段からつないでおきます。置き場所のそばに、コンセントが1口要ります。

わが家の1500はUPSのない機種なので、停電したら家電を手でつなぐしかありません。コンセントの位置と数は、新築の配線を自分で設計したときに先に決めました。考え方は「新築コンセントで後悔しないための位置と数」に書きました。

電気工事士が伝えたい、停電したときの3つの注意

停電対策で電気工事士が伝えたい注意3つ。避難時はブレーカーを切る・ブレーカーは順番に入れる・発電機は屋内で使わない
3つとも、資源エネルギー庁が公式に書いている内容です

避難するときはブレーカーを切る。通電火災を防ぐため

停電の直前まで使っていた電化製品は、復旧したときに急に電気が流れます。倒れたり傷んだりした機器が発熱して火が出るのが、通電火災です。資源エネルギー庁は、避難で家を離れるときは必ずブレーカーを切るよう書いています。

自宅だけ停電なら、ブレーカーを順番に入れ直す

近所は点いているのに自宅だけ消えているなら、ブレーカーを確認します。入れ直す前に、電化製品や電熱器具の上に燃えやすいものがかぶさっていないか、コードが傷んでいないかを確かめます。そのうえで全部を「切」にし、アンペアブレーカー・漏電遮断器の順に入れます。最後に安全ブレーカーを1つずつ入れます。漏電遮断器がまた落ちるなら漏電の疑いがあります。ブレーカーを切って、電気工事店に連絡してください(出典:資源エネルギー庁)。

発電機は屋内で使わない。壊れた太陽光パネルにも近づかない

発電機の排気は一酸化炭素を多く含みます。屋内で使うと中毒の危険があります。壊れた太陽光パネルは、光が当たっている間は発電を続けています。感電を防ぐため、むやみに近づかないでください。

電気以外の備えは、公的な一覧で足りる

本記事は電気に絞っています。水・食料・トイレ・ラジオの一覧は、電力会社や自治体がすでに詳しく書いています。内閣府のページと東京電力パワーグリッドの「家庭でできる備え」を1つずつ読めば足ります。

停電対策の電気でよくある質問

停電したとき電気の代わりになるのは、ポータブル電源かモバイルバッテリー

スマホの充電だけならモバイルバッテリーで足ります。冷蔵庫・照明・電気毛布まで動かしたいなら、ポータブル電源が要ります。家全体を動かすなら据置型の蓄電池です。

発電機より蓄電池のほうが家庭向き。屋内で使えるから

発電機は屋内で使えず、燃料の保管も要ります。家の中で使うなら、ポータブル電源か据置型の蓄電池です。

冷蔵庫はドアを開けなければ2〜3時間もつ

関西電力の解説では、十分に冷えた状態なら2〜3時間です。保冷剤や冷凍食品を一番上の棚に移すと、冷気が下に降りて長くもちます。

停電のとき電気が自動で切り替わるのは、UPSかEPSの機能つきだけ

普通のポータブル電源は、停電したら手でつなぎ直します。停電した瞬間に切り替えたいなら、UPSかEPSの機能がある機種を選びます。

まとめ:停電対策は電気から。3つの電源と3つの分かれ目

  1. 電気を確保する方法は3つ。ポータブル電源・据置型の蓄電池・発電機。発電機は屋内で使えない
  2. 必要かは3つの分かれ目で決まる。命や仕事・停電が長引く地域・停電以外の使い道
  3. 選ぶときは容量より先に定格出力。UPS機能とパススルー充電を見る

わが家は据置型を見送り、Jackeryの1500だけで備えています。1500はUPSのない機種なので、停電したら家電を手でつなぐしかありません。停電で使ったことは、まだありません。

詳しく知りたい順に、次の記事へ進んでください。

→ JackeryとEcoFlowどっち?公式スペックで出した結論

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