新築の電気配線で決めること|全部自分で配線した電気工事士が解説

新築の電気配線で決めること。壁が閉じる前に決める8つを、全部自分で配線した電気工事士が解説 家づくり・配線
この記事には広告(プロモーション)が含まれます。

「来週、電気配線の打ち合わせがある。でも、何を決めればいいのか分からない」

「コンセントの数は、足りるのか」「ネットの配線は、誰に何を頼めばいいのか」。当てはまるものはありませんか。

打ち合わせでは、コンセントの位置から防犯カメラまで、決めることが一度にやってきます。しかも壁の中の配線は、壁を張ったら直せません。ネットで調べても、出てくるのは工務店やハウスメーカーのコラムばかりです。

結論から言います。新築の電気配線は、壁が閉じる前に決めることを一覧にすれば迷いません。まだ決めきれないものは、空の管だけ通しておけば後から決められます。

私は電気工事士です。新築した自分の家の電気配線を、全部自分でやりました。管の選び方では失敗もしたので、失敗も正直に書きます。

本記事では、壁が閉じる前に決めることを1ページにまとめました。わが家が実際に選んだものと、詳しく書いた記事へのリンクも付けています。

打ち合わせの前に読んでおけば、聞かれたことに答えを用意して臨めます。住んでから「ここにコンセントがあれば」「配線が見えて残念」と後悔することも減らせます。

  1. 結論:新築の電気配線は、壁が閉じる前に決める
    1. 壁の中の配線は、壁が閉じたらやり直せない
    2. わが家の電気配線は、全部自分でやった
  2. 電気配線は、いつまでに決めればいいか
  3. 新築の電気配線で、壁が閉じる前に決める8つ
    1. コンセントは、位置より先に数と高さで決まる
    2. 照明は、電球ではなくスイッチ側で決まる
    3. 光回線は、回線を選ぶより先に空配管を入れる
    4. 光コンセントは、新築に無くて正常
    5. ネット機器は、1か所に集める場所を作る
    6. 防犯カメラは、配線の通り道だけ先に作る
    7. プロジェクターは、電源・映像・LANの3つを通す
    8. テレビは、見る方法を先に決める
  4. 決めきれない配線は、空配管だけ入れて後から決める
    1. 管は、オレンジ色のCD管ではなくPF管を選ぶ
    2. 管の太さは、通すもので変える
  5. 電気配線と一緒に決める設備と回線
    1. 光回線は、配線の次に申し込みの時期を決める
    2. 引き渡しに間に合わないときは、開通まで機器を借りられる窓口がある
  6. 工務店に配線を頼むときは、管の種類と太さまで伝える
  7. もう壁が閉じた人は、配線を外に出してあと付けする
  8. 新築の電気配線でよくある質問
    1. コンセントの追加は、壁の石膏ボードを張る前まで
    2. 電気配線の失敗は直せる。ただし壁が閉じたあとは大きな工事になる
    3. 全部のコンセントをアース付きにしても、分電盤の交換は要らない
    4. 電気配線の費用は、コンセントや照明の数と家の広さで決まる
  9. まとめ:新築の電気配線は、壁が閉じる前に一覧で決める

結論:新築の電気配線は、壁が閉じる前に決める

新築の電気配線は、壁の石膏ボードを張る前に決めきるのが正解です。壁が閉じたあとは、配線を足すにも動かすにも、壁を開ける工事になります。

新築の電気配線を仕込めるのは壁が閉じる前だけ(建築中と完成後の差)
壁が閉じたあとは、露出配線か壁を壊すかになります

決めることは、次の表の8つです。わが家が選んだものと、詳しく書いた記事も並べました。

決めること 決めないと起きること わが家の選択 詳しい記事
コンセントの数・高さ・位置 延長コードだらけになる 使い方が読めない部屋は、対角線上に2個 コンセントの位置と数
照明のスイッチ 電球を替えても、調光とスマホ操作が両立しない パナソニックの調光スイッチ WTA575831WK(器具は今後取り付け) 照明の調光とスマート化
光回線の空配管と引き込み口 機器を置く場所を選べない 空配管を工務店に頼んだ 光回線の引き込み
光コンセントを出す位置 回線会社に任せた位置になる 位置だけ決めた(回線は未契約) 光コンセント
ネット機器の置き場所 機器と配線が部屋に出る 情報分電盤は買わず、収納棚に集める予定(管は通した) 光回線の引き込み
防犯カメラの配線 配線が外壁に見えるか、大きな工事になる PoE方式のカメラを4台 防犯カメラの配線
プロジェクターの配線 配線が見えるか、壁を開けることになる 管を通した(ケーブルはこれから) プロジェクターの配線
テレビの見方 必要な配線が決まらない アンテナにした ―

壁の中の配線は、壁が閉じたらやり直せない

壁の中の配線は、石膏ボードを張ったあとは見えなくなります。直すには、壁に穴を開けるか、配線を外に出すしかありません。

だから壁が閉じる前が、いちばん大事な時期です。

わが家の電気配線は、全部自分でやった

わが家の電気配線は、電気工事士の私が全部自分でやりました。表の「わが家の選択」は、どれも私が自分で決めたものです。

ただし、読者のみなさんは自分で配線しないでください。住宅の配線工事は、電気工事士の資格が無いとできません。

電気工事士法の第3条には、資格の無い人は住宅などの電気工事の作業をしてはいけないと書かれています(軽い作業を除く)。

読者のみなさんが決めるのは、何をどこに付けるかです。本記事は、決めるための一覧として書きました。

電気配線は、いつまでに決めればいいか

遅くとも、壁の石膏ボードを張る前までに決めます。配線工事は、家の骨組みができたあと、壁を張る前に行うからです。

新築の流れは、おおまかに次のとおりです。

  1. 間取りを決める
  2. 電気配線の打ち合わせで、コンセントや照明の位置を決める
  3. 骨組みができたあと(上棟後)、壁の中に配線を通す
  4. 壁を張って、配線が見えなくなる
  5. 引き渡し

打ち合わせが終わっても、配線工事の前なら変更できる場合があります。

知恵袋には、打ち合わせのあとでコンセントの位置を変えたいと頼んだ人の投稿がありました。営業の担当者には「間違いの元になるから無理」と断られたそうです。

ただ、現場はまだ電気工事に入る前でした。質問者が再び掛け合った結果、コンセントの位置を動かせたそうです(Yahoo!知恵袋・2017年の投稿より)。

自分で配線した私の実感も同じです。配線したあとで場所を変えるのは、本当に手間がかかります。変えるなら、配線の前です。

新築の電気配線で、壁が閉じる前に決める8つ

表の8つを、結論だけ短く書きます。詳しいことは、各記事にまとめています。

コンセントは、位置より先に数と高さで決まる

コンセントの後悔は、位置の間違いより「数が足りない」「高さが合わない」で起きやすいです。わが家は、使い方が読めない部屋に、コンセントを対角線上に2個置きました。

家具をあとから動かしても、延長コードが要らないからです。

新築コンセントで後悔しない計画の3ステップ(生活動線・同時に使う家電・将来の余白)
迷ったら増やすほうが、あとで困りません

詳しくは「新築コンセントで後悔しないための位置と数」に書きました。

照明は、電球ではなくスイッチ側で決まる

調光とスマホ操作を両立させるなら、替えるのは電球ではなく壁のスイッチです。スマート電球の多くは、明るさを変える壁スイッチに対応していません。

わが家は、明るさを変えるパナソニックの調光スイッチ(WTA575831WK)にしました。照明器具は、今後取り付けます。

詳しくは「新築の照明で調光とスマート化を両立する方法」に書きました。

光回線は、回線を選ぶより先に空配管を入れる

空配管とは、壁の中に先に通しておく空っぽの管です。管さえあれば、回線の工事当日は中にケーブルを通すだけで終わります。

空配管を入れられるのは、壁が閉じる前だけです。わが家は光回線用の空配管を工務店に頼みました。

新築の光回線は空配管があるかないかで工事当日が変わる
管は空のままでかまいません。通り道があれば当日に困りません

詳しくは「新築の光回線の引き込みは空配管で決まる」に書きました。

有線LANをどの部屋に付けるかは、「新築の有線LANは途切れると困る部屋だけ」に書きました。

光コンセントは、新築に無くて正常

光コンセントは、回線会社が開通工事のときに取り付けるものです。建築中に決めておくのは、光コンセントを出す位置です。

わが家は回線をまだ契約していないので、光コンセントはまだありません。

詳しくは「光コンセントが新築に無いのは普通」に書きました。

ネット機器は、1か所に集める場所を作る

光回線の機器(ONUとルーター)を置く場所と、置き場所の電源を先に決めます。置き場所が決まれば、空配管をどこまで通すかも決まります。

わが家は情報分電盤を買わず、収納棚に機器を集める設計にしました。今は管だけ通してあります。

新築のネット機器は情報分電盤を買わなくても、線が集まる場所があればよい
専用の箱を買わなくても、線が集まる場所があれば成り立ちます

防犯カメラは、配線の通り道だけ先に作る

防犯カメラの配線は、建築中なら配管を仕込むだけで済みます。完成後だと、外壁にケーブルを出すか、大きな工事になりがちです。

わが家はPoE方式のカメラを4台選びました。PoEは、LANケーブル1本で電源と映像を送る方式です。

新築の防犯カメラ配線はPoEならカメラ4台がLANケーブル各1本で録画機につながる
カメラ1台につき、LANケーブル1本を通す道を作ります

詳しくは「新築の防犯カメラ配線は建築中に」に書きました。

プロジェクターは、電源・映像・LANの3つを通す

プロジェクターの配線で決めるのは、電源・映像・LANの3つです。機種が決まっていなくても、配線だけは壁が閉じる前に考えておきます。

詳しくは「新築のプロジェクター配線は建築中に」に書きました。

テレビは、見る方法を先に決める

テレビを見る方法は、主にアンテナ・光回線・ケーブルテレビの3つです。見る方法によって、必要な配線が変わります。

わが家はアンテナにしました。

決めきれない配線は、空配管だけ入れて後から決める

まだ決めきれない設備は、空配管だけ通しておけば後から決められます。管さえあれば、壁が閉じたあとでもケーブルを通せるからです。

わが家は、光回線・防犯カメラ・プロジェクターの3つで空配管を使いました。

知恵袋にも、門柱のインターホンや照明の配線は建築中に決めておくべき、という回答がありました。決めておかないと、あとで外壁に穴を開けるか、配線が見えることになるそうです(Yahoo!知恵袋・2015年の投稿より)。

わが家が防犯カメラの配管を先に仕込んだのも、同じ理由です。

管は、オレンジ色のCD管ではなくPF管を選ぶ

管の選び方は、私が失敗しました。安いという理由で、オレンジ色のCD管を買ってしまいました。

CD管には、炎を取り去ると自然に消える性質(自己消火性)がありません。合成樹脂製可とう電線管工業会のQ&Aでも、露出する場所ではPF管が望ましいとされています。

管の太さは、通すもので変える

太さも間違えました。いちばん細い16を買ったところ、HDMIケーブルの端子が通りませんでした。

HDMIを通すならPF管の28が必要です。通すものごとに太さを変えるのが正解でした。

新築の電気配線で使う管は材質(PF管)と太さ(HDMI28・LAN22・スピーカー線16)で選ぶ
1本の管にまとめず、通すものごとに分けます

管の失敗は「新築のプロジェクター配線」に、材質の違いは「光回線の引き込み」に詳しく書きました。

用途別の太さの早見表は「空配管のサイズは用途で決まる」にまとめました。

電気配線と一緒に決める設備と回線

配線を決めると、配線の先で使う設備や回線も決める必要が出てきます。選び方は、別の記事に1本ずつまとめました。

設備・回線 配線で先に決めること 次に読む記事
光回線 空配管・引き込み口・光コンセントの位置 新築の光回線はいつ申し込む?
防犯カメラ 配線の本数と、録画機の置き場所 新築の防犯カメラを自分で設置する準備
スマートホーム機器 ハブを置く場所の電源 スイッチボットカーテンは後悔する?
ポータブル電源(停電対策) 置き場所のそばのコンセント1口 「停電対策は電気から決める」

光回線は、配線の次に申し込みの時期を決める

光回線は、料金を比べる前にエリア判定をします。住む場所によって、選べる回線が決まってしまうからです。

申し込みのタイミングは「新築の光回線はいつ申し込む?」にまとめました。

引き渡しに間に合わないときは、開通まで機器を借りられる窓口がある

光回線の工事は、申し込んでから開通まで時間がかかります。引き渡しに工事が間に合わないのは、珍しいことではありません。

開通までの通信機器を貸してくれる窓口もあります。フレッツ光と@nifty with ドコモ光の公式ページを開いて、条件を確かめて比べました。

→ 新築の光回線が間に合わないとき|開通まで困らない窓口2つ

工務店に配線を頼むときは、管の種類と太さまで伝える

工務店に配線を頼むときは、管の種類と太さまで伝えます。「どこからどこまで、何を通すか」だけでは足りません。太さを数字で言わないと、細い管を入れられることがあります。

私も、空配管など一部の作業は工務店に頼みました。記事ごとに、工務店にコピペで渡せる伝え方を載せています。

もう壁が閉じた人は、配線を外に出してあと付けする

壁が閉じたあとでも、配線を外に出す方法ならあと付けできます。あきらめる必要はありません。

防犯カメラなら、軒下や外壁沿いに這わせれば、露出配線でも目立ちにくくできます。窓の隙間を通す薄いケーブルを使えば、壁に穴を開けずに室内へ引き込めます。

一方で、壁の中に配線を通し直すのは、壁を開ける工事になります。

あと付けの選択肢は「新築の防犯カメラ配線は建築中に」の最後に書きました。

新築の電気配線でよくある質問

コンセントの追加は、壁の石膏ボードを張る前まで

壁の石膏ボードを張る前なら、配線を足して追加できます。張ったあとは、壁を開ける工事か、露出配線になります。

配線したあとで場所を変えるのは、自分で配線した私でも本当に手間がかかりました。変えるなら、配線工事の前です。

電気配線の失敗は直せる。ただし壁が閉じたあとは大きな工事になる

直せますが、壁が閉じたあとは費用も手間も大きくなります。配線を外に出すか、壁を開けて通し直すことになるからです。

全部のコンセントをアース付きにしても、分電盤の交換は要らない

分電盤の交換は要りません。ただし、コンセントまでアース線を配線する必要があります。アース線も壁の中を通すので、壁が閉じる前に決めておきます。

知恵袋でも、電気屋さんの回答は同じ内容でした。分電盤の交換も回路の追加も要らない、という内容です。かかるのは、アース線とアース付きコンセントの分だけです(Yahoo!知恵袋・2025年の投稿より)。電気工事士としての私の考えも同じです。

電気配線の費用は、コンセントや照明の数と家の広さで決まる

わが家は電気配線を自分でやったので、工務店に頼んだ場合の金額は持っていません。金額は、コンセントや照明の数、家の広さで変わります。

まとめ:新築の電気配線は、壁が閉じる前に一覧で決める

新築の電気配線は、壁の石膏ボードを張る前に決めます。壁が閉じたあとは、直すのに壁を開ける工事になるからです。

壁が閉じる前に決めるのは、次の8つです。

  1. コンセントの数・高さ・位置
  2. 照明のスイッチ(調光とスマート化はスイッチ側で決まる)
  3. 光回線の空配管と引き込み口
  4. 光コンセントを出す位置
  5. ネット機器を1か所に集める場所
  6. 防犯カメラの配線
  7. プロジェクターの配線(電源・映像・LANの3つ)
  8. テレビを見る方法

決めきれないものは、PF管の空配管だけ通しておけば後から決められます。管はオレンジ色のCD管ではなくPF管、太さは通すもので変えます。

新築の電気配線は壁が閉じる前に決める(建築中と完成後の差)
機種が決まっていなくても、管だけは先に入れておきます

配線の次に決めるのは、光回線の申し込み先です。回線をまだ決めていないなら、窓口は2つに絞れます。どちらも開通までの機器を貸してくれるので、工事が遅れても引っ越した日からネットが使えます。

→ 新築の光回線が間に合わないとき|開通まで困らない窓口2つ

コメント

タイトルとURLをコピーしました